トンキニーズの歴史

トンキニーズの歴史はビルマ(現ミャンマー)から始まりました。この地でジョセフ・C・トンプソン博士は、トンキニーズの始祖と考えられている「ウォンマウ」という猫に出会います。博士がウォンマウをアメリカに連れ帰ったところ、初めてこの猫を見た愛猫家たちは毛色の濃いシャムだと思いました。当時、このようなバーミーズタイプの猫はアメリカのブリーダーの間で特に人気が高く、1980年代以降はイギリスでもトンキニーズが繁殖されるようになりました。シャムとバーミーズが交配して生まれたトンキニーズは、始祖ウォンマウの容姿を忠実に受け継いでいます。  

トンキニーズの外見

トンキニーズは非常に珍しい猫種のひとつです。トンキニーズはシャムとバーミーズ両方の特徴をバランス良く取り入れ、魅力に溢れた個性的な外見をしています。見た目はシャムのようにスレンダーですが、体格はバーミーズと同様にたくましく筋肉質です。頭の形はこの2種とは異なり、丸ではなく、くさび型をしています。ふっくらとした頬とひげが特徴的で、やや平べったい鼻先をしています。

トンキニーズの大きさ

トンキニーズの平均的な肩の高さは25~35cm、鼻先から尻尾の先までの体長は90~100cmにもなり、中型サイズの猫に分類されます。オスはメスに比べて、よりがっしりと筋肉質な体格をしています。

トンキニーズの体重

メスは細身の体型で、体重は約3~4 kgまで成長します。一方、オスはより筋肉質で力強い体格をしているため、その分重量が増し体重は4~5kgほどになります。

トンキニーズの被毛

短毛種のトンキニーズは、非常に短い被毛をしています。皮膚に密着した毛は、シルクのように柔らかい質感です。トンキニーズにはアンダーコートがほとんどありませんが、それでも定期的なグルーミングは必要です。換毛期以外は、週に一度お手入れをしましょう。

被毛の色

バーミーズとシャムの容姿が完璧に融合したトンキニーズは、この2種と似た毛色をしています。模様は少し異なり、トンキニーズは流れるような模様をしていて、シャムほどくっきりとは表れていません。また、通常やや濃い毛色をしています。

被毛の長さ

トンキニーズは短い被毛をしています。春が近づくと、長毛の猫と同じように換毛が始まり、毛が薄くなっていきます。古い毛が抜け落ちたところに、新しい毛が生えてきます。また、完全室内飼いの猫でも、気温の変化に関わらず一年中抜け毛が続くことがあります。中には外猫よりも抜け毛が多い場合もあります。

被毛の模様

トンキニーズはさまざまな毛色に加えて、ミンク、ポインテッド、ソリッド、タビーなどの基本的な模様が揃っているため、毛色・模様のバリエーションがとても豊富です。そのため、どの猫も唯一無二の個性的で魅力的な被毛を持っています。

トンキニーズの目

トンキニーズはとても表情豊かな目をしています。目は丸ではなく、アーモンドのような形をしています。目の色は被毛の模様によって異なります。例えば、ポインテッドの猫はダークブルー、ミンクの猫はアクアの目をしています。ソリッドの場合は、イエローやグリーンの目になることもあります。

トンキニーズの特徴

気温の変化、栄養状態、年齢など、猫の毛色が変わる理由はさまざまです。トンキニーズの場合は、この毛色の変化が顕著に表れます。生後間もないトンキニーズの子猫はとても明るい毛色をしていますが、その毛色は成長するにつれて濃くなっていきます。そして、年を重ねれば重ねるほど、濃い毛色になります。言い換えれば、毛色によってその猫の年齢を推測することができます。

トンキニーズの特性

トンキニーズの子猫の中に、美しい光沢のある被毛、濃い斑点模様、豊かなブラウンの毛色をした猫がいたため、ブリーダーたちはこの毛色と模様の組み合わせを「ナチュラル・ミンク」と呼びました。これが「ミンクカラー」の由来となっています。最も人気が高いのは「ナチュラル・ミンク」で、他にも「シャンパン・ミンク」、「ブルー・ミンク」、「プラチナ・ミンク」などの種類があります。

トンキニーズの性格

トンキニーズは、いつでも側にいて寄り添ってくれる愛情深い性格で、大好きな人にたっぷりと甘えて積極的に家族の輪に入っていきます。高い社交性と知能を持ったトンキニーズは学習が早く、時には教えていないことまで習得することがあります。例えば、ドアを開けることを覚えたトンキニーズは、部屋や冷蔵庫のドアを意のままに開けることができます。

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出典: Tokanese – Lively and affectionate (The Tonkanese cat in breed portrait) , [YouTube-Video.], 20.12.2021, #die #katzenrassen, Tonkanese – Lebhaft und Anhänglich (Die Tonkanese Katze im Rassenportrait) – YouTube accessed 25.04.2022

トンキニーズの価格

信頼のおけるブリーダーから血統書付きのトンキニーズを購入する場合の平均価格は、約800~1,200ユーロです。価格はブリーダーによって大きく変動することがあります。 

トンキニーズのブリーディング

トンキニーズのブリーディングは、その特殊な遺伝子故に非常に困難です。トンキニーズの遺伝子は優性でも劣性でもなく中性です。つまり、2頭のトンキニーズを交配させると、バーミーズ、シャム、またはトンキニーズのいずれかの子猫が生まれる可能性があります。

トンキニーズの飼育とケアについて

トンキニーズの短い被毛は、お手入れがとても簡単です。アンダーコートがほとんどなく汚れにくいため、毎日のお手入れは絶対条件ではありません。ただし、換毛期は被毛の状態が変化します。被毛の生え変わりで抜け毛が多い場合は、湿らせた布で取り除き、仕上げに目の細かいコームでとかしましょう。

トンキニーズの子猫

生まれたてのトンキニーズの子猫は、とても明るい毛色をしています。そして数日経ってから、その毛色が徐々に濃くなり始めます。そのため、最初のうちは正確な色を予測するのは難しく、2歳頃にようやく色が定着します。 

トンキニーズにみられる病気

一般的にトンキニーズが他の猫種と比べて、病弱ということはありません。また、特有の疾患などは今のところ見つかっていません。ただし、代表的な猫の病気にかかることはあるため、適切な予防接種を受け、年に一度は動物病院で心臓と腎臓の健康診断を受けることがトンキニーズにも推奨されています。

トンキニーズの寿命

トンキニーズの平均寿命は15~18年で、長寿猫の一種と言えます。(猫の18歳は人間の88歳に相当します。)ただし、猫の寿命はさまざまな要因に左右されるため、一概には断言できません。