スノーシューの歴史
猫種の中には交配と偶然の重なりに起源があるものがあり、スノーシューもその一つです。このような偶然は、予定通りの計画ではなく、自然の気まぐれにより起こります。初めは一度きりの試みとして、アメリカのブリーダーが白い足のシャムを繁殖しようとしました。そしてある日、シャムのポイントカラーと雪のように白い足、「スノーシュー」を持つ3匹の子猫が生まれます。
その20年後にスノーシューは猫種として公式に認定されましたが、当時はあまり関心を持たれることはなく、スノーシューとして登録されたのはわずか数匹でした。その後、この特徴的な顔と白い足をしたスノーシューの人気はヨーロッパにも広がっていきます。2004年以降はヨーロッパでも猫種として認定され、今では人気が高い猫種の一つになっています。
スノーシューの外見
スノーシューはシャムと同様に筋肉質ですが、がっしりとした感じではありません。体は長めで高すぎない、きれいなプロポーションをしています。丈夫な脚で自信を持って自分の世界を闊歩します。後ろ足は前足より少し長く、足先はすべて白くなっています。中くらいの長さの尻尾の付け根はやや太く、先に向かって次第に細くなります。逆三角形のお面をかぶったような顔、目立つ顎と斜めに傾いた輝く目を持つスノーシューは、とても個性的な容姿をしています。
スノーシューの大きさ
スノーシューは中型サイズの猫種です。成猫の肩の高さは約25cm、体長は約30~35cm、尻尾の長さは約30cmになります。オスはメスに比べて筋肉質で幅が広く、少し大きめです。
スノーシューの体重
メスはオスに比べて少し華奢で小さく、2.5~5kg程度に成長します。メスよりも体格がいいオスの体重は約4~6.5kgになります。
スノーシューの被毛
シャムの毛色と短毛種がお好きな方に、スノーシューはぴったりな猫です。バイカラーのアメリカンショートヘアとシャムを交配して生まれたスノーシューの被毛はみっしりと生え、滑らかで比較的短く、アンダーコートはほとんどありません。シャムとよく似た斑点模様が特徴的です。
被毛の色
スノーシューの毛色はシャムに似ていて、白い部分が少し多くなっています。これはシャムとの交配により、シャムの典型的な色合いを引き継いでいるためです。シール、ブルー、チョコレート、ライラック、レッド、クリーム、タビー、ポインテッドなどの毛色があり、足は常に白くなっています。
被毛の長さ
スノーシューは短毛種です。室内飼いの猫は天候や日光の影響を受けにくいですが、一年中アンダーコートや毛が抜けることがあります。ただ、長毛種のお手入れと比べると、被毛のケアは比較的簡単といえます。
被毛の模様
スノーシューの被毛には2種類あります。白の多さによって「ミテッド」と「バイカラー」に分けられます。ミテッドは体の1/3が白く、バイカラーは2/3が白くなっています。
スノーシューの目
スノーシューはきれいなブルーの目をしています。猫のなかではブルーの目は非常に珍しく、イエロー、グリーン、オレンジ、カッパーなどの色のほうが遺伝的に現れやすいです。スノーシューの目は成猫になってもブルーのままで、虹彩の色が変化することはありません。このブルーの目は、スノーシューの被毛と足先の白いポイントカラーとよく似合っています。
スノーシューの特徴
被毛の模様や色に個体差はありますが、共通していることが一つあります。スノーシューの名前の由来にもなっている、雪のように白い足です。この白い毛の生え際は、前足よりも後ろ足のほうがやや高い位置から始まっています。
スノーシューの特性
特徴である白い被毛は、足の周りだけに生えている場合もあり、まるで白い靴下を履いているかのようです。また、顔に白いハチワレ模様が出ると、仮面を着けているようにも見えます。
スノーシューの性格
スノーシューは活発で社交的な性格をしています。とても愛情深く、人でも動物でも一緒にいることが好きで、相性が良ければ他の猫やペットとも仲良くできます。活発でよく遊び、家族とのおしゃべりを楽しみます。ニャーニャーと話しかけながら甘えるのが大好きです。ただし他の猫と同じく、時には一匹でリラックスして過ごす時間も必要です
スノーシューの価格
価格は需要と供給によるものだけでなく、出生地によっても異なります。ブリーダーからの購入価格は平均600~1,300ユーロです。猫に関する専門的で総合的な知識を持ち、適切なケアを行う信頼できるブリーダーを選びましょう。
スノーシューのブリーディング
スノーシューのブリーディングは、ヨーロッパでは1980年代末から、ドイツでは1990年代から行われています。ヨーロッパ最大の血統種の登録団体であるFIFé(Fédération Internationale Féline)は2000年代初めにスノーシューを品種として認定しました。スノーシューと認定されるのは、典型的なシャム柄と、様々な毛色の中にはっきりと目立つポイントカラーがあることが指定されています。
スノーシューの飼育とケアについて
スノーシューは仲間と一緒に体を動かすことが好きです。そのため、一匹で飼うことはできるだけ避けた方がいいでしょう。一緒に遊んだり寄り添ったりできる同世代の同居猫がいると完璧です。また、外出する機会があれば、その際に良い遊び相手が見つかるかもしれません。スノーシューの被毛はショートからミディアムショートで、お手入れは比較的簡単です。週に1度のブラッシングと、定期的な目・耳・歯のお手入れで寄生虫を予防しましょう。
スノーシューの子猫
スノーシューの子猫の誕生は毎回大きな驚きに満ちています。どの子猫もたまらなく可愛いですが、その感動に加えて、生まれたてのスノーシューは全身が真っ白な毛で覆われています。それぞれの子猫が遺伝的にどのような毛色を受け継いでいるかは、生後1週間ほどで明らかになってきます。ゆっくりと確実に、成猫になった時の毛色や模様が現れる様子を見守るのはわくわくしますね!
スノーシューにみられる病気
スノーシューは比較的新しい猫種のため、かかりやすい病気などの報告や研究結果はまだ多くありません。ただ、スノーシューはアメリカンショートヘアとシャムの交配によって生まれたため、これらの猫種と似た病気が想定されます。
スノーシューの寿命
スノーシューの寿命は平均12~16年と言われています。人間の年齢に換算した場合、かつて猫の1年は人間の7年分に相当すると考えられていましたが、現在は約15年と言われています。(※生後1年で約18歳、2年で約24歳、その後は1年が人間の約4年分として換算されます。)